京都大学FutureEarth研究推進ユニット

Future Earth Research promotion unit, Kyoto University

2017年6月20日 FutureEarth協議会議議事録
2017年7月25日 掲載

第3回 Future Earth 研究推進ユニット 協議会

日時:2017年6月20日(火)13:30-
場所:吉田キャンパス 総合研究12号館 地下1階 004会議室
参加者:河野・大手・ベッカー・中野・谷内・堤田・伊藤(FEユニット)山敷(卓越大学院・構想連絡会、思修館)

報告

昨年度の活動のまとめ

  • 昨年、総長裁量経費あり、今年度はなし(ユニットとしての経費はなし)となり今年度はボランタリーベースでお願いしたい
  • 年度末に地球研のサポートでシンポジウムをしたい。
  • 国際シンポジウム(12/21)の開催
  • ホームページのニュースのページ(https://feru.cpier.kyoto-u.ac.jp/news/)に編集者によるレポートが掲載されている。
  • 発表者とのコネクションづくりができた。
  • HPの開設
  • 京大内外のFEに関わる研究者の研究内容等を掲載
  • データベース的な機能(メンバーの紹介、プロジェクト紹介、キーワード一覧など)
  • 今年度、予算はないが充実させていきたい。
  • 日本生態学会で自由集会「Future Earthでなにをする?: Transdisciplinaryな研究とは」を開催した。
    • 生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会:奥田昇(総合地球環境学研究所)
    • アジア地域での自然・社会資源の持続的な利用に関する研究:西前出(京大・地球環境学堂)
    • グローバルな超学際研究の可能性、方向性:杉山昌広(東大・政策ビジョン研究センター)
    • 文系・理系の研究が融合するFuture Earthにおける研究の必要性と可能性:石井敦(東北大・東北アジア研究センター)

コンセプト:Transdiciplinaryな研究の研究経験のある方、考えを持っている方の研究紹介
奥田さん:栄養循環と流域圏社会に関する研究(谷内さんの研究例とも近い?)
西前さん:農村に入りつつ自然科学的なアプローチで自然・社会資源の持続的な利用について
杉山さん:グローバルな超学際研究。バックグラウンドは気象学。CO2のEmissionの国際的枠組み設定など。グローバル方向にスケールが大きくなるほど実際に対策を立てるStakeholderは限られてくる。

感想として:FEは地域を対象としたものがほとんどで、グローバルなスケールなものなどについては、不足しているという印象。
石井さん: 国家間(日露など)の漁業に関する条約についての研究、ヨーロッパでの窒素酸化物、亜硫酸ガスの規正条約の議論などについての研究例の紹介

JST ベルモント・フォーラム共同研究公募「Transformations to Sustainability」

  • 日本語:実践としての変革(transformation): 気候変動の影響を受けやすい環境下での持続可能性に向けた公平かつ超学際的な方法論の開発
  • 英語:Transformation as Praxis: Exploring Socially Just and Transdisciplinary Pathways to Sustainability in Marginal Environments 略称(Acronym):TAPESTRY
    Lyla MEHTA (PI, Professorial Fellow, the Institute of Development Studies, UK), Synne MOVIK (Associate Professor, Norwegian University of Life Sciences), Devanathan PARTHASARATHY (Professor, Indian Institute of Technology), Nobuhito OHTE (Professor, Kyoto University)
    https://www.jst.go.jp/sicp/announce_belmont_nexus_transformation.html
  • 4月締め切り、今年度審査、採択されると来年度開始
  • 実践としての変革(Transformation):気候変動の影響を受けやすい環境下での持続可能性に向けた公平かつ超学際的な方法論の開発

卓越大学院構想について

「フューチャー・アース大学院(未来地球学大学院)構想: 地球社会の調和ある共存を目指して-WINDOW構想を実践する超学際教育」 (仮称)
松沢先生+寶先生リーダー 山敷先生

*12月 山極総長+安成所長+松沢代表の打ち合わせ、地球研との連携、FEを出すのが良いという提案
京大・民博・地球研など 京大の全部局、民博(総研大)、連携他大学の学生を受入
(地球研の教員が京大で博士号を出すことも可能にする計画提案もあった)
FE大学院(170名)最終的には200名程度 宇宙研究 人工衛星を使った地球環境モニタリングなども

*思修館 UNDP, FAO, UNESCOとの連携(シンポ)など、UNEPとの連携がうまくいっていないのでFEユニットにお願いしたい。

*思修館=>FE大学院とはならない。

FE大学院の学生はまた違う感じになると思う。

思修館:プロセス(インターンなど)重視

FE:FEに貢献できるための大学院教育プログラムという位置づけ

1学年30人(うち10人は思修館)1人月5万円程度の経済的サポート(TA、RA経費で)を想定。

*FE Global hubの春日さん(東大サステイナブル)は、東大からも卓越大学院の申請があるかもしれない(SDGsをメインに出す?)

*FEユニットと連携可能。

その後、意見交換 以下、参加者(FEユニット)の意見

(河野)フューチャーアジアにする?地球研のアジアへの注力、東大との差別を図る。アジアを中心課題に据えることでフューチャーアースを考えるというコンセプト。

(大手)FEの研究コミュニティの側でもTransdisciplinaryな研究プロジェクトを計画・実行することに模索していている段階で、体系だったmethodologyが確立できているわけではない。研究者の側も経験が浅い。その状況で、それに関する大学院教育のカリキュラムを作ることができるのだろうか。

(ベッカー)FEに係わる研究は、必然的にケース・オリエンテッドになる。様々な問題解決のプロジェクトが研究になり得るが、教育では大学院のアイデンティティとなるような教育目標が必要となるだろう。学生が「あの大学院では、FEに関わる研究・実務について、これを身につけることができる」というコアとなるもの、メソッド、知見が提供できるだろうか。それがキーとなるだろう。

(谷地)学生が、FEに関わることが学べるという大学院だと思って入学して、結局、個々の教員のsingle-disciplinary な研究に関する教育を受けるということにならないか。教員間でTransdisciplinaryな研究と教育に関する十分な知見と共通認識がないと、上記のようなことになる可能性がある。

これらに対して、山敷先生から卓越大学院構想の現状を踏まえて回答があった。指摘されている問題点は、計画段階で重要な検討事項と考えているとのこと。

記録: 伊藤、大手

2017/0703 修正、確定

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