ユニットについて
Future Earthとは
Future Earth は、持続可能な地球社会の実現をめざす国際協働研究のプラットフォームです。 国際科学会議 (ICSU)などの学術コミュニティと社会のパートナーが協働する基盤を提供し、分野を超えた統合的な研究を社会と共に推進します。 Future Earthの実施体制においては、国際組織の代表からなる評議会の下に、科学者代表で組織される科学委員会とその他の関係者からなる関与委員会が設置されています。
また研究の実施を国際的に遂行するための国際合同事務局(日本、スウェーデン、仏、米、カナダ)と、世界の5地域(アジアは日本(総合地球環境学研究所)が担当)の地域事務局が設置されました。科学委員会はFuture Earth全体の学際、超学際的研究の推進を行い、関与委員会は科学的知識を社会に適切かつ有効的に提供し、科学と社会の連携を密接に図る戦略的なアドバイザーグループとして設置されます。
3つの研究テーマ
ダイナミックな地球の理解
自然現象と人間活動によって、地球がどのように変化しているかを理解する。
地球規模の持続可能な発展
食糧、水、生物多様性、エネルギー、物質、生態系機能とサービスの持続可能な利用など、人類に喫緊の課題に取り組むための知識を提供する。
持続可能な地球社会への転換
持続可能な未来に向けた転換のための知識を提供する。転換プロセスと選択肢の理解、および、人間の価値観と行動、新しい技術及び経済発展の道筋との関係を評価する。
京都大学Future Earth研究推進ユニットについて
国際科学会議 (ICSU)などの国際的な学術コミュニティ、研究資金提供団体や政策決定者などが協働し、Future Earth 「持続可能な地球環境に向けての国際協働研究イニシアティブ」 が活動を活発化させつつあります。このプログラムは、気候システム・水循環、生態系・物質循環 、生物多様性等に関するこれまでの国際共同研究ネットワークを糾合して、地球環境変化を包括的に理解し、持続可能な人類社会の構築に向けた地球規模課題の解決に資する研究を総合的に推進することを目的としています。
京都大学Future Earth 研究推進ユニットは、京都大学の各部局で蓄積されているFutureEarthに関連する研究の成果やリソースを共有し、同時に内外に発信することによって、求められる学際的なプロジェクト立案にむけたディスカッションの場を形成する。これによって、本学として主体的に FEに参画することを目指しています。加えて、FutureEarthに関連した地球規模課題に挑む国際的なプロジェクトを担う次世代研究者の育成に貢献することを目的としております。
大手 信人ユニット長(2018/4~)のご挨拶
2018年4月、河野泰之先生からユニット長を引き継ぎました。
日本のFuture Earthの学術コミュニティが研究活動を本格化させてから3年がたちました。この間に、世界各国のFuture Earthの活動も様々なレベルで始動し、多彩なプロジェクトが実施に移されています。文理の研究者が共同するばかりでなく、課題に関与するステイクホルダーとも協働する超学際的なプロジェクトの実施にはさまざまなハードルがあり、プロジェクトに関与する多くの人々の間で試行錯誤が現在でも続いています。国際的なFuture Earthのガバナンスも昨年、大きな変化があり、それまで科学委員会(Science Committee)と関与委員会(Engagement Comittee)に分かれていた諮問体制が統合され、新たに諮問委員会(Advisory Committee)が組織されました。これには、これまでなかった超学際的な研究プロジェクトの進め方の難しさが反映していることがうかがわれます。
しかしながら、いみじくも河野先生が書かれているように、京都大学の誇るべき研究スタイルの特徴として、フィールドワークを基礎とした方法論と経験の蓄積があり、それが行われるなかで培われた地域社会との深い関わりがあります。このスタイルは、Future Earthが志す超学際的な研究プロジェクトの形成には十分に強みを発揮できるものであると考えています。また、私たちのこのFuture Earth研究推進ユニットは、設立当初から総合地球環境学研究所に拠点を置く、Future Earth, Regional Centre for Asia と密接な情報交換を行いながら活動を進めており、国際的な情報の流れも十分に把握できる体制をもっています。
今まさにFuture Earthの活動は、試行錯誤をしながらも本番に向かおうとしています。私たちFuture Earth研究推進は、上のようなリソースを活用しつつ特色のあるプロジェクトを進めていこうと考えています。
京都大学Future Earth研究推進ユニット長
情報学研究科 教授 大手信人
河野 泰之ユニット長(2015/10~2018/3)のご挨拶
京都大学の誇るべき特徴の一つは、フィールドワークやフィールド科学に立脚した研究です。1950年代から、生物学や生態学、医学、人類学の研究者はアジアやアフリカに赴き調査研究に励みました。その後、農学や経済学、工学等の研究者が続きました。これらの研究者は、現地の自然や生態系、人々の生活や文化、そして政治や経済をつぶさに観察し、分析し、その成果を発表してきました。そこに貫かれているのは、既往の理論を調査地に持ち込むのではなく、調査地の現実をつぶさに観察し、理解することにより、あらたな理論の構築を目指すという姿勢です。
世界は多様です。この多様性を理解しなければ世界を語ることはできません。私たちは、本学が長年にわたって醸成してきたこのようなアプローチこそがFuture Earthにとって必要なものだと考えています。本学の多様なリソースを活用して、Future Earthに取り組んでいきたいと思います。
京都大学Future Earth研究推進ユニット長
東南アジア地域研究研究所 教授 河野泰之
Future Earth協議会について
協議会は、FEユニットの今後の方針や活動の計画など、主要な案件について話し合い、議決します。
協議員は以下のようなメンバーで構成されていますが、年数回開催される協議会には、メンバーの誰もが参加できます。
協議員(2018/4~)